永見窯
島根県の出雲平野を流れる斐伊川を、出雲市内から上流に向けて南下していくこと30分。
三刀屋(みとや)という町の山の中腹に、小さな工房を構える永見克久さん。
同じ島根の陶芸家・船木研児の元で修行したのち、
自作の薪窯を構えて、製作に取り組んでいます。
自ら掘ってくる石見地方の陶土をはじめ、釉薬の原料など、多くを地元から自ら調達します。
薪窯を焚くための薪も自らチェーンソーを操り用意します。
いずれも外から調達しようと思えば、簡単にできる時代です。
そんな永見さんが作るうつわは、暮らしに寄り添ううつわです。
奇をてらうことなく、シンプルで使いやすい、まさに健やかな仕事です。
薪窯での製作は決して楽ではありません。
自然の力を利用することからムラも多く、現在主流のガス窯などに比べれば効率は落ちます。
窯焚きは、長時間に渡って薪をくべ続けるため、体力的にも大変な仕事です。
そのような中、作家としてではなく、一人の職人として製作に取り組む永見さんの姿勢は素晴らしいと思います。
モスグリーンの器
永見さんの器の代表とも言えるのが、モスグリーンとも言える落ち着いた緑色の器。
自ら掘り出す、島根県石見地方の鉄分を多く含んだ土に、
灰釉をかけて還元炎焼成することによって生まれる色です。
落ち着いた色で、食事もよく引き立ちます。
永見窯特有の赤みのある土も魅力です。
特にモスグリーンとのコントラストは、渋く、味わい深い。
灰釉との組み合わせで用いられる白色は、柔らかくて温かみがあります。
飴色の器は、地元島根・来待で採れる来待石をベースに作られた来待釉です。
師・船木研児氏のもとで学んだ洋食器を得意とし、パン皿、角皿、サラダ鉢なども魅力的ですし、
飯碗や湯呑も、シンプルで使いやすいもの。
ぜひ取り入れて見て下さい。
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